梅雨時期は湿度が高く、気圧や気温の変化で頭痛などのいわゆる「気象病」とか「梅雨バテ」といわれる症状が増える時期です。対策と解消法についてお話します。

気象病とは
雨が降る前や台風が来る前に体調を崩すこと。つまり、気象の変化(気圧の変動や気温・湿度の変化、天候の変化など)によっておこる、からだの不調のことです。個人差が大きく、とてもしんどい方もいれば、何も感じない方もいます。
どんな症状?
いろいろな症状がありますが、人数比で比べると、1位:頭痛 2位:肩こり 3位:関節痛 その他:めまい、むくみ、だるい、気分の落ち込み、などです。
発症メカニズム
「高い山に登ると、お菓子の袋がパンパンになる」とか「飛行機に乗ると、耳がツーンとする」という経験はだれでもあると思います。これは、高い山や上空は、気圧が低いからです。これと同じで、雨が降るときや、台風が来るときは、気圧が下がります。それに伴って、体の内圧と外圧に差ができます。圧力の差を敏感に感じやすい方や圧力の差を体が解消しにくい方が気象病を発症するのです。
気圧とは
ものを上に積み上げていくと下に存在あるモノには大きな圧力がかかります。気圧も同じで、上に乗っかっている空気の量で気圧は変化します。上空では気圧は低く、地下では気圧は高くなります。富士山の頂上付近(3776m)では、気圧の大きさは約0.6気圧(630 hPa)です。
私たちは日常生活を1気圧(=1013hPa)というところで過ごしています。それに体は慣れています。ところが、雨が降るときや、台風が来るときは、この気圧が下がっていきます。強い台風で、950hPa 非常に強い台風で、920 hPa 猛烈な台風では900 hPa以下となります。
気圧の変化に体は敏感
急な気象の変化があるということは、急な気圧の変化が起こります。つまり「急に富士山の五合目あたりに連れていかれる」という感覚と同じことが私たちに起こります。体にかかる圧力が低下するので、体が膨張し、体の水分や血液のめぐりが悪くなり、神経にも負荷がかかります。水道の水を庭にまくとき、ホースをぎゅっと押した状態と押してない状態では、水の勢いが違うのと同じで、急に圧力が弱まると、血管やリンパ管でも、巡りが悪い状態が起きるのです。そういう変化に体をうまく調整(ホメオスタシス)してくれているのは、自律神経の力です。
気象病になりやすい人
男性より女性に多い、乗り物酔いしやすい、のぼせやすい、むくみやすい、生理前
つまり、筋肉が少なく、冷えやすい人、血液ドロドロで血流が悪い人、体の水分のめぐり悪い人、自律神経が乱れやすい人、ということになります。思い当たる方も多いですね。
予防方法
1,適切なな水分摂取:湿度の高い時期は、のどの渇きを感じにくいので、こまめに水分補給をして、脱水を予防しましょう。冷たい飲み物ばかりでなく、常温の方が良いです。
2,睡眠不足に注意:睡眠不足が続くと自律神経が乱れやすくなります。気象病になりやすい方は規則正しい生活を送ることを意識しましょう。
3,バランスのよい食事:梅雨の時期は、胃腸の調子も低下しやすいので、食中毒の予防も兼ねて生ものは控えめにし、加熱したものを食べましょう。
4,適度な運動:少し運動もして、かるく汗をかく練習(体温調節の練習)をしよう 「梅雨バテ」のまま夏を迎えると「夏バテ」になってしまいます
5,体の湿気も、家の湿気も追い出そう:除湿器を利用するのもよいですね。天気の良い日は、しっかりと部屋に風を通し、カビやダニの発生を予防しましょう。
6,通気性の良い素材や吸湿発散性のある衣類:汗を吸い蒸発しやすい服の方が体温調節しやすく、洗濯のあとの乾きも早いのでおススメです。理想は綿70%・ポリエステル30%。少し麻が入るとされに快適です。
7,心のケア:梅雨時期は気分が落ち込みやすいと感じることもあります。好きな趣味や興味のあることをしたり、家をすっきり片付けて、アロマオイル(ミント・ラベンダー)を置いておくのもおススメ。
気象病に効く漢方薬
- 五苓散(ごれいさん):全身のむくみ・下痢をしやすい方
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):めまい・耳鳴りなど、上半身のむくみが気になる方
- 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):下半身のむくみ・関節痛が気になる方。水太りの方にも。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):手足の冷え、血流の悪さが気になる方。
まとめ
気象病の原因を知ることで、自分にあった予防方法を見つけて、うまく梅雨の時期を乗り越えましょうね!!上記の漢方薬(2番以外)は、漢方カフェで1杯ずつ飲むことができます。ぜひお試しくださいね~上記の話をセミナーでもお話しましたので、もう少し詳しく知りたい方は、YouTubeをご覧くださいね~~