妊娠したけど流産する原因について

子宝相談

 子宝相談をしてて、一番つらいこと。それは流産の報告を聞くことです。でも一番つらいのは、それを報告してくれるお母さん自身ですね。流産は、だれにでも起こりうることなので、流産の原因と対処方法についてお話します。

流産とは
 妊娠全体の15%の頻度で流産は起こり、まれなことではありません。生理1日目を妊娠1日目とカウントして、妊娠22週未満で母親の胎内にいる赤ちゃんが何らかの原因で亡くなってしまい、妊娠が継続できなくなることです。ほとんどの場合は、妊娠12週未満の早い時期の早期流産です。妊婦の年齢が高齢になると流産は起こりやすくなり、50%との報告もあります。

流産の原因は?
 早期流産の最も多い原因は、赤ちゃんの染色体などの異常で、途中で細胞分裂が停止してしまうことです。つまり、この場合、お母さんの妊娠初期の仕事や運動などが原因ではないということです。妊娠12週未満の流産の原因は赤ちゃんの遺伝性疾患が原因によるものです。つまり初期の流産の予防はとても難しいですが、染色体異常は、年齢があがるごとに増加します。
 その他の原因は、母体のホルモン・免疫の異常・感染症・子宮の形態・喫煙やアルコールなども原因となります。

流産になってしまったら
 妊娠初期の急な腹痛や出血で病院に行ったら、胎児の心拍が確認できないということで、流産をしることになります。その後、自然に出血とともに、子宮内容物がすべて自然に出てくる場合(完全流産)。この場合は、腹痛や出血は収まります。
なかには、出血により、子宮内容の排出が始まっているが、一部が子宮内に残ったままになることがあります(不全流産)。この場合、出血・腹痛が続いていることが多く、残ったものを除去する手術を行う必要があります。

流産後に気を付けることは?
 流産後は急にホルモンバランスが乱れることもあり、悲しみ、怒り、罪悪感、不安などの感情を生じやすくなります。これは自然な反応なので、無理に感情を抑えたり否定せずに、自分の気持ちを誰かに話したり、涙を流して悲しんだりして感情を整理していくことが必要です。
 流産したのは自分のせいだと罪悪感を感じることもありますが、妊娠12週未満の流産ではほとんど母体の原因ではないことを知っておいてください。

つらくてしんどい方へ
 妊娠初期の流産は染色体異常が原因で防ぐことができないとわかっていても、ご自分のことや家族を責めてしまう方もおられます。短い時間でも新しい命が宿ったことに感謝して、一緒にいられたことを誇りに思ってください。今、この瞬間を大事に過ごしていきましょう。

今後の妊娠にむけて
 流産を経験すると、次に妊娠してからも、どこかに不安を抱えます。少しでも、安心した気持ちで過ごすことは、次の妊娠のためにも、無事出産を迎えるためにも、とても大切です。そのため、漢方相談の際には、月経の状態はもちろん、心身の症状を詳しくお聞きして、その時に最適な漢方薬をきめ細やかにセレクトしています。月経やお身体の状態が整うにつれて、不安感も和らぎ次の安定した妊娠にむけて、体が整っていきます。一人で悩まず、ご相談にお越しください。

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