毎月開催している健康セミナー。第125回では 「西洋医学と東洋医学の融合」についてお話しました。このページでは、その内容の前半を簡単にまとめています。「西洋医学と東洋医学の融合」 東洋医学と西洋医学の違いを知って、うまく良いとこどりをして自分の健康管理に役立てましょう!!
詳しくは、YouTubeに投稿していますので、↓こちらをご覧ください!
東洋医学と西洋医学の大きな違い
西洋医学は、病気の原因を目に見える形でとらえて病名を確定し、同じ病名であればほぼ同じ処方薬を出す治療手段が標準化されています。ウイルス・細菌・毒など、相手が明確なものや、脳血管障害・がん・骨折など、手術が必要なものが得意です。
これに対して東洋医学は体の不調を心と体のほかに、気の巡りなど体を全体から治す治療法です。 東洋医学の領域では、具体的には鍼灸やあん摩、漢方といった方法で治療を進めていきます。また患者さんごとに治療が異なります。東洋医学は原因がわからない不調、慢性疾患、病気の一歩手前の「未病」に対する治療が得意です。
東洋医学におけるエイズの治療
実験上、エイズにしたネズミの足の三里に鍼をした。鍼をしなかったグループより、長生きできた。
これを科学的根拠に基づいて解明すると、足三里のツボに鍼をすることにより、脳に刺激が届き、ドーパミンという体を元気になるホルモンが分泌された。その結果、食事を消化する能力があがり、体力の低下を防ぐことができた。
東洋医学によるうつ病の治療
合谷、内関、百会というツボに鍼をすることで、うつ病が改善した。これも、科学的根拠に基づいて解明すると、鍼の刺激が脳に送られ、やる気のでるホルモンが出て、さらに頭部の血流が改善したことにより、うつ病が改善されたとみられています。
耳鳴りの治療法
耳鳴りは、耳のトラブルの中でも多い悩みのひとつです。 耳は、音を集める外耳、音を伝える中耳、音を感じる内耳より成り立っています。
西洋医学の場合、耳鳴りは音の伝達ルートのどこかに障害が起こることで発症すると考えられています。しかし検査をしても耳の異常はなく、内耳の循環改善薬(アデホス、カルナクリンなど)や神経の働きを良くするビタミン薬(メチコバールなど)などを処方することが多いです。耳鳴りからくるストレス緩和に、精神安定剤(デパス、リーゼ、ソラナックスなど)を処方されることもあります。
東洋医学の場合でも、耳鳴りは難しい分野になりますが、体をグループ分けしたとき、耳は腎に属すると考えます。『耳は腎に通ず』といって五臓の『腎』の異常が耳鳴りの根本的な原因となっていると考えます。また『腎』は、生命活動の源である『腎精』の貯蔵庫なのです。
腎精が不足した状態を『腎虚(じんきょ)』といい、さまざまな老化現象が現れます。その代表的な症状のひとつに耳鳴りがあります。そこで、体全体をみて、その方に合う漢方や鍼灸治療をするようになります。漢方薬では、苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯などを処方することが多いです。
胆道がんの治療
西洋医学と東洋医学の組み合わせがおススメです。
胆道がんとは、肝臓で作られた胆汁が十二指腸に出るまでに通る「胆道」に発生するがんをまとめて「胆道がん」と呼びます。発生した部位によって「胆管がん」、「胆嚢がん」、「十二指腸乳頭部がん」と分けられます。胆道が塞がることで、胆汁が流れなくなって「黄疸」になります。
この場合は、胆道のつまりを改善する外科的治療のほかに、漢方薬の「茵ちん蒿湯」を治療の前後で服用することで、早く黄疸が改善します。茵ちん蒿は、体の湿っけた熱を排除し(清熱利湿)、黄疸を改善(退黄)してくれます。
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