血圧はなぜあがるのか?降圧剤で下げた日は認知症の症状がひどくなる

健康情報

80代の女性で、血圧が平均150の方がいます。ところが、時々血圧が200になることもあるので、かかりつけ医から降圧剤が処方されました。ところが、降圧剤を飲んだ日は、認知症のような症状が悪化するのです。なぜ血圧があがるのか、降圧剤で下げる必要があるのか、考えてみましょう。

なぜ年齢とともに血圧があがるのか
 年齢とともに血管の弾力性がなくなってくるのが1つの原因です。若いごろの血管は弾力性を持っていますが、血管は誰でも老化し、厚く硬くなってしまいます。血管の弾力性が低下して血流が悪くなるので、血液を流す圧力をあげることで、血流の悪化を防ごうとしている、体の防衛反応の1つです。

高齢だから仕方ないといって高血圧を放置しない
 高齢だからといって血圧が高いのは仕方ない…といって放置しないことが大切です。血圧が高い状態が続くと衰えた血管に強い圧力がかかり、血管が破れてしまっては大変です。脳出血・くも膜下出血、これらの病気は高血圧の合併症として起こり得る病気です。血圧が高いこと自体に自覚症状がなくても、命に関わる病気に発展してしまう恐れがあるということです。

高血圧の基準について
 安静時に、上の血圧(収縮期血圧)140mmHg以上、下の血圧(拡張期血圧)90mmHg以上、になると、「高血圧」と病名がついてしまいます。自宅で測る血圧と病院で測る血圧だと、数値に違いがある人も多いと思います。病院だと緊張してしまい、血圧が高くなってしまうことなどが原因です。その場合には、家庭で測る血圧を記録しておくと「白衣性高血圧」ということが医師にも伝わりやすいですね。家庭で血圧を測る時間は、基本的に起床後と就寝前になどだいたい決まった時間に測定するようにしましょう。

高血圧と診断されたら降圧剤が処方される
 高血圧と診断されたら降圧剤が処方される場合は多いです。年齢や血圧の数値によっては、まずはダイエットとか運動など生活習慣を改善することを指示される場合もあります。その場合は、まだまだ高血圧から逃げ切れる範疇にいるので、ぜひ、下記の生活習慣のポイントを参考にして、血圧を下げるための努力をしてください!

降圧剤を飲んで認知症の症状が悪化した80代女性の例
 病院で血圧を測ると200あったそうです。家庭での血圧は140~160くらいが多いとのことです。「病院から処方された降圧剤を飲むとなんだか様子がおかしい」とご家族からのご相談でした。
詳しくお伺いすると、降圧剤を飲み忘れた日は、いつも通りに食事・トイレなどできるそうですが、降圧剤を飲んだ日は、1日コクリコクリと眠そうにしたり、トイレに行こうとして間に合わずに漏らししたり、食事を食べたかどうか忘れてしまう、などいわゆる認知症のような症状が強めにでるそうです。病院に相談しても、やはり降圧剤は飲んだ方が良いとのことです。降圧剤を飲まないのも危険、だた降圧剤を飲んで生活の質が低下するのも悲しい、何か方法はないか?
 そこで、漢方薬の七物降下湯(しちもつこうかとう)冠心逐お丹(かんしんちくおたん)を、お渡ししました。後日、まだまだ血圧が高くなる日は多いとのことですが、認知症のような症状が出なくなったことで、毎日が快適に過ごせているというご連絡を受けました。


血圧上昇を防ぐ生活習慣のポイント
 血圧と生活習慣というのは密接に関係しています。次のポイントを一つでも多く生活の中に取り入れられば良いですね!
・ウォーキングなどの有酸素運動をおこなう
・質のよい塩を使用する(ミネラルを多く含むので、うま味もプラスされ結果的に減塩につながる)
・しっかり睡眠をとる
・肥満にならないように体重管理をする
・過度な飲酒を控える
・たばこを禁煙する

まとめ
 検査結果で病名がきまり、薬が処方されることはとても一般的なことです。多くの方がそれで、病気の悪化を防ぐことができています。ところが、そこに当てはまらない人もいます。数値だけでなく、ご本人の顔色、元気度など、トータルに見れるとよいですね。西洋医学の良い点をとりいれつつ、微妙な匙加減を東洋医学でサポートすることにより、より快適に過ごせる方が増えることを願っています。


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