免疫力をチェックしよう(前半)

immunity 健康セミナー

毎月開催している健康セミナー。第126回は「免疫力をチェックしよう」というテーマでお話しました。このページでは、その内容の前半をお話しています。全体の内容は、YouTubeでも見れますので、ぜひそちらもご覧ください!

第126回 免疫力をチェックしてみましょう!


①免疫とは
 体を外敵から守るための防御システムで、自分の細胞と異物を見分け、異物を体から取り除くことです。免疫には2段階あります。粘膜免疫と全身免疫です。

1粘膜免疫(バリア)とは
 目、鼻、喉、胃、皮膚など、外敵が侵入してくる場所が強いかどうか?

2全身免疫とは
「粘膜免疫」を突破して体内に病原体などの異物が侵入してきたときに、「全身免疫」がやっつけて排除するように働きます。全身免疫は、自然免疫と獲得免疫に分けられます。

 自然免疫: 異物が体に侵入した際に直接やっつける免疫です。
 獲得免疫: 異物が一度体内に入った後に、その情報を記憶し、次回同じ異物が侵入した際により迅速かつ強力に対応する仕組みです。これにより、同じ感染症にかかりにくくなります。

免疫の働きが正常でないと、自分の体の一部を異物と認識して攻撃してしまうことがあります。たとえば、自分の腸粘膜をやっつけると、クローン病。自分の関節をやっつけると、関節リウマチという病名がつきますが、すべて自己免疫疾患といいます。

②免疫力チェック
 年齢とともに免疫力は低下してくるのは、誰しもが感じるところだと思います。そのほか、免疫力は、遺伝、栄養状態、ストレス、睡眠などさまざまな要因によって影響を受けます。
自分の免疫力をチェックしてみましょう!
 1風邪をひきやすい
 2風邪が治りにくい(長引くことが多い)
 3唇や肌荒れしやすい
 4下痢や便秘をしやすい
 5口内炎ができやすい
 6手足が冷えやすい
 7体温が低め(36.5℃以下)
 8疲れやすい
 9ストレスを感じやすい
 10睡眠不足である

 あてはまる項目が多いほど、免疫力は低下しがちです。少しずつ改善していきましょう!

③粘膜免疫とは
 粘膜免疫には「カラダの水分量」が大切だと言われています。体内の水分量が適切だと、鼻腔や気管皮にある「線毛」が、活発に動き、ウイルスなどの異物が侵入するのを防いでくれます。
ウイルスなどの異物が気道に侵入すると線毛が異物をキャッチし、外へ外へと押し出すように動き「痰」という形で喉の方へ排出されるか、 咽頭から食道を通り胃の中に入ります。この際、細菌やウイルスは胃酸によって殺菌されます。 空気が乾燥していたり、体内の水分が不足している状態では、粘液が少なくなるので、十分に線毛が活動できず異物を排出することが出来なくなってしまいます。
 私たちは汗をかいていない状態でも皮膚や呼気から常に水分を失っています。気づかぬうちにカラダの水分が不足し粘膜が乾いてしまうと異物が侵入するリスクが上がります。 こまめに水分を補給し、体内の水分量を保つことが大事です。一般的に、体重×30mLの水分量が1日の必要な水分量だといわれています。その量のなかに、食事由来の水分(みそ汁など)も含めても大丈夫です!

④全身免疫とは
 風邪などのウイルスが体内に侵入すると、まず白血球のうちのマクロファージが現場に駆けつけてウイルスをやっつけます。さらに、その時の、ウィルスの情報を免疫の“司令官”であるT細胞に伝えます。 情報を受け取った“司令官”のT細胞は、“殺し屋”のキラーT細胞にウイルスに感染した細胞を探して破壊するように命令します。
次に、“司令官”のT細胞は、B細胞に抗体を作るように指令を出します。 指令を受けたB細胞は、そのウイルスに対抗する大量の抗体を作り出します。この抗体が補体と協力して、ウイルスに感染した細胞を破壊します。このようにさまざまな免疫を担う細胞が協力して、ウイルスに感染した細胞を攻撃し、やがて風邪が治ります。

続きは、後半で→

タイトルとURLをコピーしました